2016年3月30日水曜日

第1327話 綾瀬はるかと二人飲み (その4)

綾瀬の「串のこたに」にいる。
ちなみにここは東京都・足立区。
米軍基地のある神奈川県・綾瀬市ではない。

他の客が串揚げばかりを注文するので
郷に入れば郷に従え、常連さんに倣うこととする。
数種類ある串セットのうち、
興味を持ったのは山賊セット(450)と海賊セット(480)
前者は山の幸、後者は海の幸の盛り合わせだな、これは―。
当たり前のごとくシーフードをお願い。
もともと肉よりサカナのほうが好きだしネ。

海賊セットの揚げ上がりを待つあいだ、
隣りの客があおる液体の正体を見極めようとしたものの、
いまだ未確認液状物体である。
色合いからして酎ハイみたいでだったが
まっ、いいか。

やがて現れたザ・パイレーツ・オブ・アヤセーンは
かき・海老・きす・もんごいか・帆立貝の5本。
480円割ることの5本、イコール96円だから
1本当たり100円に満たないサービス価格といえる。
ドリンクに限らずフードもまた安い。
ただし、帆立は小粒でおそらく近縁種の板屋貝かと思われた。

添えものの小皿には抹茶塩と中濃ソースにマヨネーズ。
加えてキャベツ・きゅうり・大根の生野菜トリオが付け合わせ。
まあ、こんなものでありましょう。

そこへ新しい単身客が入店してきて
一席だけ空いていた隣りに腰を下ろした。
開口一番、「こたにサワー! ああ、ピッチャーでな」―
ずいぶん乱暴な言い様だねェ。
でもおかげで、はは~ん、
謎の液体の正体があっけなく判明した次第だ。

このオヤジさん、ピッチャーを待つヒマもあらばこそ、
タバコに火を点けてスッパ、スパ。
スパゲッティ屋の店主じゃあるまいし、
ぜわしなく吸い込んでは激しく吐き出す。
自分の吐いた煙りの行く先なんぞお構い無しの無頓着。
チラッと横顔をのぞくと、予想通り下品な顔をしてた。

ピッチャーの仕度がちょいと手間取ったせいもあるが
あろうことかオヤジ、2本目に点火しやがった。
少しは周りに気を配りなさいヨ、ったく!
トンデモないのが脇に座ったもんだ。
1軒目の「大松」といい、今宵はお隣りサンに恵まれないや。

=つづく=