2017年5月23日火曜日

第1628話 ラーメンと焼きそば (その2)

そんなこってラーメンは好きなのだが
ここ数年、あまり食べなくなった。
理由は二つ。
まず昔ながらの昭和の町中華が激減していること。
餃子か野菜炒めでビールを飲み、中華そばで締める。
こんな芸当のできる店はほとんどない。

二つめはラーメンと酒、これがどうもシックリこない。
ハッキリ言って、ラーメンは酒の友に不向きなのだ。
ドンブリを前にしてチンタラ飲んでいたら
麺はノビるし、スープは冷める。
そうしてはならじとドンブリに挑むと
今度はせわしなくて仕方がない。
やはりラーメンは飲んだあとにススるものらしい。

では、どうするか?
ここで頼りになるのが焼きそばだ。
ビールやホッピーや酎ハイのつまみにピッタリだし、
加えて同時に昼めしもちゃあんと取れる。
まったくもって一石二鳥の一人二役ではないか―。

ただし、焼きそばったってペヤングや UFO じゃありやせんぜ。
まあ、あれでもいいんだけど、ちとサビしい。
独り暮らしの若者ならいざしらず、
中高年が湯を沸かし、湯切りして、
ソースをからめる一連のプロセスは
サビしさを通り越してワビしさを感じさせる。
できれば避けておきましょう。

さて、世間一般でいう焼きそばは大きく分けて4種類。

① 炒めた焼きそば(上海風)
② 柔らかいあんかけ焼きそば(広東風)
③ 硬いあんかけ焼きそば(広東風亜流)
④ ソース焼きそば(日本流)

いずれをとっても一人二役をきちんとこなしてくれるのだ。
好みを基準にあえて順位をつけるとすれば、
②→①→④→③ ということになろうか―。

② のあんかけに関しては
シンプルに豚肉&もやしだけでもいいし、
什錦炒麺と呼ばれる五目もまたよし。
海老を主役に据えた蝦仁炒麺はさらにけっこう。
ラーメンより好きですネ。

そんな観点から焼きそばに似た、ある一皿が大好物。
それは何かというと、長崎名物・皿うどんである。
食べ出しは麺パリパリ、中盤ほどよくアタマと麺がからみ、
仕舞いにゃ両者なじんで一体化。
この三段活用が食べ手をけっして飽きさせない。
皿うどんは首都圏でももっと愛されてしかるべき。
そう思うんだがなァ。