2021年10月4日月曜日

第2755話 から揚げをあえなく空振り

その翌日、文京区・千駄木の鶏肉専門店、

「鳥安」に併設される料理店のテーブルに

ちゃっかり着座するJ.C.の姿を見ることができた。

前の日に近所のオバちゃんが描いた、

OKサインにインスパイアーされてしまった。

本日のランチメニューは以下の3品。

 

うな重(1630円)

鳥たれ焼き(770円)

鳥ねぎ塩だれ焼き(770円)

 

あれ、から揚げがないや。

お運びのオネバさんに確認すると

「から揚げ単品とごはんのご注文になります」―

それでもいいやと思いつつ、待てヨ、

それではランチメニューとしての全貌が見えない。

 

優秀な脇役、お新香と味噌椀が

別注になるやも知れんし・・・。

から揚げは店頭で買って帰れば

いいかとの思いも浮かび、ねぎ塩だれ焼きを通した。

 

すると、これが大当たり。

さしづめ右中間を深々と破る三塁打といったところだ。

弾力があるのにしっとり柔らかなもも肉が抜の群。

前日の焼き鳥とは雲と泥ほどのギャップがあった。

 

朝鮮焼肉店でタン塩を頼むことは

めったにないが、よく似た味付けだ。

いつもの三羽がらす、

温泉玉子、新香(きゅうり・大根・かぶ・白菜)、

味噌椀(わかめ・玉ねぎ)も万全。

今後、毎週とまではいかなくとも

月に一度はおじゃまするとしよう。

 

会計を済ませて店頭に回る。

おや、から揚げが見当たらないヨ。

オジさん、申し訳なさそうに

「今日はもう売り切れちゃって・・・」 

 

夕餉支度の買い物客を当て込み、

一刻(いっとき)もすれば、

また揚げるんだろうが出直すのも何だしなァ。

あえなく空振りの巻でした。

 

再びその翌日。

「鳥安」を通りすがると

ショーケースにから揚げがテンコ盛りと来たもんだ。

ムリして200gも購入し、晩酌の友としてみたが

ちっとも旨くないんでやんの。

 

すべて胸肉のから揚げは熱が通り過ぎてパッサパサ。

こりゃどう考えてもランチの揚げ立てとは別物だな。

月に一度利用すればそのうち命中することもあろう。

茅場町の「宮川」同様、

その時の風まかせにしよう。

 

「鳥安」

 東京都文京区千駄木2-13-1

 03-3821-1301