2021年10月25日月曜日

第2770話 シチリア人はイワシ好き (その1)

本日のランチの相方は

この春、コリアンタウン・三河島で

本場の朝鮮焼肉をご一緒したM代サン。

帝国ホテルのロビーで待合せたがホテルは素通り。

泰明小学校前の裏道のシチリアンに赴いた。

 

「カンティーナ シチリアーナ」は

東銀座にも姉妹店がある。

カンティーナは穴倉のこと。

奥のテーブル席に促されたが

あえてカウンターをお願いした。

 

ハッピー・アワー(11301800)で

飲みものがオール500円。

泡・白・赤に加え、

生ビール、ハイボール、サングリアもある。

二人とも生ビール、銘柄はスーパードライ。

 

もっとも手軽なVコース(1300円)を選択した。

サラダ―フォカッチャ―パスタ―カフェ

という流れだ。

 

パスタは6種から択び、

イワシとウイキョウのカザレッチェ、

ズワイ蟹とムール貝のフェットチーネを。

 

サラダは大量のケールに

キャロット・ラ・ペのイタリア風が添えられる。

青汁の原料にもなるケールは

歯応えがあり過ぎるほどあり、

何もこんなに盛らなくてもいいんじゃないの。

アゴがくたびれちゃうヨ。

 

アラカルトに対応できるというので

ビールのお替わりをしながら

イワシのベッカフィーコ(1尾770円)を

2尾追加した。

 

このシチリア名物は開いた小イワシに

パン粉・レーズン・松の実などを詰めたら

クルッと丸めて尾をピンと立たせ、グリルする。

姿がベッカフィーコなる小鳥に似てるのが由来。

イチジクを突っつく鳥を意味する。

 

イタリアの大女優、

ソフィア・ローレンの大好物がこの料理だ。

J.C.の好きなイタリアの映画監督に

ピエトロ・ジェルミがいる。

代表作は「鉄道員」でテーマ曲がヒットした。

そして「刑事」はアリダ・ケッリの歌った、

主題歌「死ぬほど愛して」がさらなる大ヒット。

 

ジェルミの作品にシチリアの古く悪しき風習を

痛烈に風刺した「誘惑されて棄てられて」がある。

娘の許嫁(いいなずけ)を夕食に誘う父親が

「今夜はベッカフィーコだぜい!」―

自慢気に叫ぶシーンが印象的だった。

 

上記3本の映画音楽はアリダの父、

カルロ・ルスティケッリの作曲。

彼はジェルミの盟友でもあった。

 

=つづく=