2021年10月21日木曜日

第2768話 理髪前 トリソバ手繰る 青葉台

前日、旧友と飲み過ぎたので

昼は汁そば、いわゆる湯麺がほしかった。

今日は理髪日。

BMリストから目黒・品川方面の店舗を探す。

 

すぐにヒットしたのは

目黒区・青葉台の「鶏舎(ちいしゃ)」。

なんだか養鶏場みたいな名前だネ。

大橋ジャンクションから近いので

東急田園都市線・池尻大橋駅下車。

 

13時過ぎに着くと行列はないものの、

店内の順番待ち用椅子3脚にカップルが1組。

端っこに腰掛ける。

これなら楽勝とばかり周囲を観察し始めた。

 

逆L字形カウンターに四人掛けが2卓。

店名の語呂から“ちいしゃ”な店かと思いきや、

ウェイティング・チェアまで配備され、

それなりのスペースがある。

 

来る前から注文は決めていた。

タイトルロール(店名役)とも言える、

トリソバ(850円)だ。

ほかにトリ・鳥・鶏を名乗る料理は無いから

これっきゃない!

 

だけど、ちょいと心細くなってきた。

次から次に客は現れるが

誰一人トリソバを注文しない。

人気を集めるのは五目ウマニかけ飯(950円)。

他店でいう中華丼だ。

 

着卓したドンブリには蒸し鶏の胸肉、貝割れ大根、

そして一面に浮かぶ大量の刻みねぎ。

麺は中細真っ直ぐ、塩味スープが相当しょっぱい。

こりゃたまらんと自重していた、

これまた誰も頼んでいない中瓶をお願い。

サッポロ赤星と一緒にザーサイがサーヴされた。

 

スープが濃くとも味自体はけっこう。

主役の蒸し鶏がよく、シンガポール名物、

海南鶏飯の麺ヴァージョンだネ、これは―。

そうこうするうちトリソバの注文が入った。

何だかホッとしての会計は1350円也。

 

中目黒、大鳥神社と歩いて、かむろ坂。

オオゼキで麒麟の発酵レモンサワーを買う。

女優の松たか子がCMで

「飲んでほしいのだよぉ」って言ってるヤツ。

 

本来はビールだがオオゼキは冷えが甘い。

前回なんざビールのオンザロックだもんなァ。

サロンのドアを引くと

「いらっしゃいませ~!」―

いつもの夫婦がいつもの笑顔で待っていた。

 

「鶏舎(ちいしゃ)」

 東京都目黒区青葉台3-9-9

 03-3463-5365