2022年1月7日金曜日

第2924話 上野のお山 鶯の谷 (その1)

東京都美術館の展示に興味を抱き、

この日は上野のお山へ出向くつもり。

その前に1杯飲って景気をつけようと

アメ横にやって来た。

 

いつも比較的空いてる行きつけは大行列。

財津一郎に倣って

長蛇はやめてチョウダーイ!

何つっても何の意味もない。

 

近くの「のんちゃん」に初めて入った。

焼き鳥と天ぷら串をウリにする店だ。

カウンターに促され、座りかけながら

黒ラベルの中ジョッキを通した瞬間、背後から

ギャハハハ~!

振り向けば真後ろにバカ者、もとい、若者が8人、

大盛り上がりの真っ只中、いや、マイッたな。

 

お通しは白胡麻を振りかけたオクラの刻んだの。

お通しにしちゃ、けっこうな量である。

焼き鳥のハツとボンジリを塩でお願い。

おっ、珍しいキンカンを見つけ、

接客のアンちゃんに

「キンカンあるの?」

「あります。天ぷら串ですけど・・・」

「キンカンの天ぷらかァ、初めてだけどそれも」

 

焼き鳥より天ぷらが先に来た。

だんご三兄弟みたいに串刺し3粒だ。

塩を振ってパクリ、溶けた黄身が口中に流れ出す。

2粒目は天つゆで―。

めんつゆみたいな天つゆだが

悪くないので3粒目もドボン!

 

焼き鳥が焼き上がり、ジョッキのお替わり。

ハツはボンジリの倍サイズだ。

どちらも水準をクリアしている。

会計は1730円也。

ちょいと高いな、そう思って明細を見たら

ジョッキ2杯が540円、串3本は600円なのに

オクラのお通しが490円と来たもんだ。

値付けバランスの悪いことこの上ない。

 

なるほどそうか、安いビールで釣っといて

避けて通れぬお通しで元を取る寸法だ。

アコギとまでは言わないけれど

健全な商売とも言えない。

 

周りを見ると若者ばかりでオッサンは皆無。

そりゃそうだヨ、支払い額にシビアな中高年は

常々、こういうところに目を光らせてるもの。

 

調べてみたら経営母体は Non-Stop Dining

1221日にオープンしたばかり。

此処には以前から似たような店があった。

トータルではけして高いわけじゃないから

まっ、いいか。

さあ、お山に登るとしましょう。

 

=つづく=

 

「のんちゃん」

 東京都台東区上野6-12-15

 今のところ電話ナシ