2022年1月25日火曜日

第2936話 ハブ酒を避けてオリオンを (その1)

この日は南青山・骨董通りの中国料理店へ。

ところが13時近くで行列は30人余り。

こりゃかなわんと出直しを決意し、

骨董通りを突き抜けて西麻布に到着。

 

日本の首相が米大統領をもてなす社交場として

名を馳せた「G」は手頃なランチメニューが揃う。

揃うけれど、どうにも気がすすまない。

とうとう六本木まで来ちまった。

 

明治屋の真裏で通りすがったのは

「沖縄ダイニング びたろー」。

店舗はビルの2階だが立て看板に目がとまった。

ランチメニューの沖縄そばとミニタコライス。

このセット(1050円)に興味を持った。

ソーキそばをはじめ、

沖縄そばは何度も食べたけれど

タコライスなる珍妙な一品は未食のままだ。

 

第一候補にフラれ、ヤケを起こしたのではないが

いい機会だから初体験に挑んでみよう。

エイヤ!とばかり、階段を上がった。

 

着いたカウンターの真ん前にガラスの大きな容器。

中にはハブがとぐろを巻いており、

強面の横顔を見せている。

ハブ酒は飲んだことがないから、

思い切ってこれも試しとくか―。

 

いや、待て、待て、真っ昼間から強い酒はよくない。

蛇だけにヘビー級のパンチ力がありそうだ。

よって、より穏やかな沖縄県産ビール、

オリオンの中ジョッキ(550円)を泡ナシでお願い。

おう、いい感じ、いい感じ。

 

5分ほどでランチトレイが運ばれた。

うん、そばのスープが美味しいネ。

出汁は豚と鰹節だろうな。

反面、中太平打ちちぢれ麺がパッとしない。

支那そばとうどんの中間みたいでコシが弱い。

 

どんぶりを彩るのは豚バラ2枚、

沖縄かまぼこ、錦糸玉子、紅しょうが、小ねぎ。

オーソドックスなスタイルである。

 

途中で味変を試み、まずは胡椒と思ったものの、

卓上に胡椒が見当たらない。

置いてあるのは、塩、七味、

そしてコーレーグース(島とうがらしの泡盛漬け)。

ふ~ん、なるほど、

沖縄そばに胡椒は使わないんだ。

初めて知ったヨ。

 

=つづく=