2011年3月4日金曜日

第4話 季節外れのハロウィン (その1)

池袋西口は高校時代になじんだエリア。
板橋・豊島両区の境目に位置する母校・板橋高校から
下校時に池袋まで歩いたものだが
西口一帯はそのルート上なのである。
界隈きっての遊び場だったロサ会館では
よくボーリングをした。
登校前の早朝割引を利用すると、
1ゲームがたったの100円だった。

池袋西口にめっぽう旨い台湾料理屋があると
聞きつけたのは2月中旬のこと。
東京の老舗台湾料理店となれば
西新宿「山珍居」と渋谷「麗郷」がすぐに思い浮かぶ。
そういやあ、ずいぶん台湾料理を食べてないなァ。

せっかくの情報を活かさぬ手はない。
1週間後には出掛けていった。
駅から10分近くは歩いたろうか、
ちょいと辺鄙(へんぴ)な場所にあり、
ブクロ通のJ.C.もさすがにこの辺りは不案内。
近所に「赤札堂」なんぞもあったりして
人の通りが絶えることなく、
それなりに飲食店が灯りを点している。

いかにも下世話な町の中華食堂といった店構えに
多少なりともたじろいたが、まっ、こんなものだろう。
気さくな女主人は日本語がペラペラだ。
愛想がよく親切にして丁寧。
概して中華民国の人のほうが
中華人民共和国の人より当たりがやわらかい。

台湾名物のしじみ醤油漬けでスタートする。

緑がかった殻が台湾蜆の特徴

サッと火を通したら、あとは醤油に漬け込むだけだから
ほとんどナマで貝の旨味がギュッと閉じ込められている。
こいつはいいや!

中華に行けば必ず頼むのが緑の葉野菜炒め。
今宵は空芯菜である。
鮮やかな緑がいかにも身体によさそう

このおかげで食物繊維とビタミンの摂取はバッチリだ。

情報源が推挙していた海老マヨをメインの第1皿に選ぶ。

ユニークな食感が舌に快感を呼ぶ

海老の下には缶詰のパイナップルが潜んでおり、
意外にも両者の相性は、バツ山グン子さん。
ヘェ~ッ、こいつは驚いた。
でも、驚くのはまだ早かった。
次にアッと驚くハロウィン現象が控えていたのである。

=つづく=