2011年3月23日水曜日

第15話 韓国映画を2本観た (その1)

今日は映画ネタでいってみます。
それもめったに観ない韓国映画で。

TVと映画は異なれども、
とにかくただの一度も韓流ドラマを観たことのない身、
それがどういう風の吹き回しかというと、
動機はすべて井筒のオッチャンなのでした。
井筒和幸監督による「週刊現代」の連載コラム、
「今週の映画監督」で、彼が絶賛していた作品を
2本立て続けに観に行ったのでありました。

機会を与えてくれたというか、
キッカケを作ってくれたというか、
ここはひとまず監督に感謝の意を表したい。

過去において観た韓国映画はホンの数本。
「オールド・ボーイ」、「シルミド」、
「私の頭の中の消しゴム」、
パッと思い出せるのはこの3本のみだ。
苦手な理由は俳優の名前がゴッチャになって覚えきれず、
区別がつかないところにもある。

その点、フランス映画はいいですな。
アラン・ドロンにジャン=ポール・ベルモンド、
一目、一耳でピシッと記憶装置にインプットされる。
そんなJ.C.ではあるが、
女性歌手のケイ・ウンスクとキム・ヨンジャは
はっきり識別できている。
男性のチョー・ヨンピルだって
ちゃんと名前と顔が一致しているのだ。
なあ~んだ、けっこう判ってるじゃん。
でも結局は薬局、認識もそこまで。
役者サンとなると、もうあきまへんのや。

で、行ってみました有楽町へ。
まずは朝鮮戦争開戦時にまつわる「戦火の中へ」である。
史実に基づくストーリーは確かに迫力じゅうぶん、
てェした作品に仕上がってはいた。
ただ、登場人物の造形がきわめて類型的にして
ラストも現実感に乏しく、戦争活劇に成り下がっていた。
かつては一世を風靡した東映の仁侠映画さながらで
ヒーローに全然弾が当たらないというのも何だかなァ。
好みを言わせてもらえれば、
金日成暗殺のために仕立てられた特殊部隊を描く、
「シルミド」のほうが好きだし、凄みや深みをより感じた。

それでも井筒のオッチャンが指摘する通り、
今の日本映画が逆立ちしたってマネのできない、
壮大な戦争スペクタクルは一見の価値あり。
国家を挙げて映画作りをサポートするお国柄には
日本政府も学ぶところ多かりし、である。

=つづく=