2011年3月18日金曜日

第12話 春節の午餐

かれこれ1月半も前のこと。
今は亡き個性的艶歌歌手・青江美奈の

♪ ドゥドゥビ ドゥビドゥビ ドゥビドゥバー ♪

そう、「伊勢佐木町ブルース」で
全国に一躍その名を知られた町に出向いた。
時は春節、いわゆるチャイニーズの旧正月である。
知人のT利夫妻に誘われて春節の午餐会に参加したのだ。

伊勢佐木町のメインストリートに面した建物の2階に
中国料理店「龍鳳」はあった。
2卓のラウンド付きテーブルに分かれて
着席したのはおよそ20名。
T利氏のお墨付きとあって参加者の期待は果てしなく大きい。

この時期にはまだ早かったが
何でも当店はどこぞに自前の竹林を保有しており、
そこで採れる新竹の子の料理が自慢だという。
中国料理屋で新竹の子にはお目にかかった記憶がないが
想像するに相応の美味ではなかろうか。

すぐに紹興酒に移行するものの、一同まずはビールで乾杯。
ほどなく運ばれた前菜は世にありがちな盛合せではなく、
すべて別盛りで登場した。

 くらげ  赤貝  香腸  鶏肝

といった面々だ。
天下の珍味というほどではなくとも水準はクリアしている。
店内の照明が暗く、写真はものにならなかったが
赤貝だけは何とか写ってくれた。

小粒な赤貝は瀬戸内産のサルボウ貝であろう

以後のいただきものは下記の通り。

 油淋鶏  冬瓜湯  ふきのとうの包み揚げ
 海老と金針菜の炒め  大根の貝柱射込み
 あいなめ酒蒸し  大根餅  干し海老炊込み飯
 豆乳プリン

ふきのとうと大根&貝柱が印象に残った。
他店では見掛けぬ独創性を評価したい。
いずれにせよ、春節にふさわしい和やかな午餐であった。

ほろ酔い気分でお開き。
この日の深夜はオーストラリア相手にアジアカップの決勝戦。
土曜ということもあって横浜に宿をとってある。
夜は夜で飲みに出るとして、それまで時間はあり余っている。
酔いざましに2~3時間の散歩を決め込んで
近所のよこはまばし商店街へと足を向けた。 

「龍鳳」
 神奈川県横浜市中区長者町7-112 伊勢佐木センタービル2F
 045-261-0308