2011年6月3日金曜日

第67話 俺らこんな鴨せいろ好きだ!

昨日は悪魔に魅入られたが如く、
天丼でヒドい目にあったハナシ。
それも海老より好きな小魚の天丼で。
しかも東京でもっとも好きな街、浅草の新仲見世で。
まっ、たまにゃこんな放銃(フリコミ)もあろう。

ところで、昨日のブログを読んだ友人たちから
いつの間に韓国へ行ってたんだ? との質問が相次いだ。
言われてみれば、どこへ行ったかは書いたが
いつ行ったかにはふれていない。
実は20年も前のことでやんした。
なにぶん古いことで恐縮である。
以来、半島を訪れたことはない。
近くて遠い国、自分にとって韓国はそんな国である。

さて、今日は天丼の仇を鴨せいろで取ったハナシ。
ところは根津の「手打ちそば 三里」。
言わば、浅草の仇を根津で取ったわけだ。
店先のボードに”鴨せいろがおいしい!手打ちそば三里”の文字。
自ら名代を高らかに謳うからにはよほどの自信作なのだろう。

品書きをご披露しよう。
 せいろ―780円  おかわり―580円 
 おろしそば、ごまだれせいろ、かけ、玉子とじ―各980円
 鴨せいろ、鴨南ばん―各1580円

ほほう、さすがにイチ推しだけあってなかなかの値段である。
安い店ならうな重が食べられるではないか。

ついでにつまみも。
 焼き海苔、そば味噌、莫久来―各480円
 板わさ―580円 そば屋仕立ての和風チヂミ―780円
 合鴨の陶板焼き―1380円

とまあ、そば屋の定番は一通り揃っている。
和風チヂミというのは桜海老・分葱・そば粉のアンサンブル。

日本酒は大雪渓、四季桜など、品揃え豊富だ。
しかるにビールは生も瓶もエビス一辺倒。
そば屋や鮨屋、殊にそば屋にありがちな大いなる勘違い。
日本そばにエビスはまったく合わない。
したがってこの店を夜訪れることは絶対にない。
ジャズのBGMも鼻につくしネ。

気を取り直してこれからたぐるそばの品定め。
せいろも試したいが、この日は鴨に狙いを定めて来た。
「室町砂場」や「並木藪」程度の少量であれば
両方いけるが初訪問につき、ボリュームの判断がつかない。
取り合えず、鴨せいろだけお願いした。

20分は待ったろうか、腹ペコ時ならイラツく長さだ。
そばは少なめだが鴨づゆはタップリ。
このとき、せいろを追加する気になったが思いとどまる。
そばは舌ざわり、歯ごたえ、のど越しともによい。
上をいったのはつゆである。
胸肉とつくね団子入りで、殊につくねがすばらしい。
軟骨のコリッとした歯ざわりは特筆、都内随一と言ってよい。
安易に絶妙などと表現したくはないけれど、
まさしく絶にして妙だったんだから仕方がない。
俺らこんな鴨せいろ好きだ!

「手打ちそば 三里」
 東京都文京区根津2-33-9
 03-5814-1810