2011年6月10日金曜日

第72話 練馬・板橋 行ったり来たり (その2)

練馬区・氷川台から板橋区・上板橋方面へ移動中。
よい天気である。
歩いていて気持ちが晴ればれとしてくる。
ほほに当たる涼やかな風は緑のそよ風。
関東地方は本当に梅雨入りしたのだろうか。
気象庁は原子力保安院みたいに
いい加減なことは言わないよナ。

ネリカンに長居はできないから先を急ぐ。
右手にずっと続く木立は城北中央公園だ。
40年以上前、公園の真ん中に今もあるはずのグラウンドで
たびたびサッカーをしたっけ・・・。
ここは広大な都立公園で練馬・板橋両区にまたがっている。

周囲を彩る新緑の木々がたいそう立派に育った。
ちょっと見はパリのリュクサンブール公園さながら。
彼の地でパリのチビッ子たちを集め、
草サッカーに興じたのは1971年5月、ピッタシ40年前のこと。
当時、離れていた日本では大久保清が世間を震撼させ、
尾崎紀世彦の「また逢う日まで」が一世を風靡していた。
五木ひろしや小柳ルミ子が世に出た年でもある。

公園を過ぎてほどなく川越街道にぶつかった。
おお、道のど真ん中にあるのは懐かしの五本けやきじゃないか!
中学からの遠足の行き帰り、
車窓から何度も眺めた古木は上板橋界隈のランドマーク。
昭和の初め、屋敷を道路用地として売り渡した地主が
存続を条件としたからこそ生き残ったけやきである。

街道を横断すると上板橋南口の商店街。
週末の夕暮れどきとあって家族連れでにぎわっている。
東上線の線路をまたいで北口へ。
線路と並行して走るときわ通りを
北西に進み、東武練馬を目指す。

途中、先刻渡ったばかりの線路の反対側に
北一みのり市なる幟(のぼり)を発見。
一見、寂れた商店街のようだが
看過できずに再び板橋から練馬へ逆戻りである。
メインストリートに出ると、繁華をきわめた商店街だった。
しかもくだんのみのり市は第一土曜日だけののイベント、
買い物客であふれている。

見るからに怪し気なアーケードに出くわした。

昼なお暗い北町アーケード

でも、こういうの好きなんだな。

胸弾ませて中へ

ペットショップ・居酒屋・スナックが立ち並んでいるが
余命いくばくもないことでござろう。

東武練馬駅前の踏切を板橋側へ渡る。
ふと思いつき、昔お世話になったS水クンの旧宅を訪ねる気になった。
おそらくマンションか何かが建っていることだろう。
駅から徒歩15分、徳丸4丁目〇〇ー〇に到着したらば、
どこか見覚えのある木造2階建て。
まさか! いや、もしや・・・。
目の前にあった田んぼは宅地になっていたが
旧宅のほうはひょっとすると・・・。

しっかりカメラに収めたから、
ストックホルムのヤツのところへ送って確かめてみよう。
いや、ちょいと待て!
来春には一時帰国してくるはずだ。
そのときの余興に写真は取っておくことにした。