2011年6月13日月曜日

第73話 小さな手帳 (その1)

♪   小さな日記に綴られた
      小さな過去のことでした
         私と彼との過去でした
       忘れたはずの恋でした ♪
        (作詞:原田晴子)


フォー・セインツが「小さな日記」で
デビューしたのは1968年のことだった。
この年、流行った邦楽曲は
 
 花の首飾り(ザ・タイガース)
 長い髪の少女(ザ・ゴールデン・カップス)
 エメラルドの伝説(ザ・テンプターズ)
 亜麻色の髪の乙女(ザ・ヴィレッジシンガーズ)
 小さなスナック(パープル・シャドウズ)
 悲しくてやりきれない(ザ・フォーク・クルセダーズ)
 ケメ子の歌(ザ・ダーツ)


 知りすぎたのね(ロス・インディオス)
 小樽のひとよ(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)
 新宿そだち(大木英夫&津山洋子)

 伊勢佐木町ブルース(青江三奈)
 好きになった人(都はるみ)
 三百六十五歩のマーチ(水前寺清子)

 年上の女(森進一)
 釧路の夜(美川憲一)
 あなたのブルース(矢吹健)
 霧にむせぶ夜(黒木憲)
 
 ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
 恋のしずく(伊東ゆかり)
 ゆうべの秘密(小川知子)
 天使の誘惑(黛ジュン)


 山谷ブルース(岡林信康)
 愛の園(布施明)
うわっ、とめどなくジャンジャン出てくる。
歌手名のうしろのジルシは特に好きな曲、
思い入れの深い楽曲である。

こうしてみると、グループサウンズを筆頭に
コーラス、デュオの全盛時代だったことがよく判る。
演歌もそれなりにヒットが生まれているし、
その頃、アイドルなんて言葉はあったが
認識のなかった若手女性シンガーも大健闘。
不振をきわめたのは男性ソロで
岡林はフォークだから、歌謡曲は布施明だけ。
この頃、すでに御三家人気はかげりを見せていたし、
若大将の時代も終焉していた。

1968年のヒットでどれか1曲と問われれば、
それはもう、迷わず、「愛の奇跡」。
これしかない。

ハナシは急に前回(金曜)のブログに飛ぶ。
読者の方からどうして今まで
何十年も前の級友の住所なんぞキープしてるんだ? 
こんな問い合わせがいくつか。
いや、ごもっとも。

今、手元に小さな日記ならぬ、小さな手帳が1冊ある。

=つづく=