2021年11月9日火曜日

第2881話 しばらく無沙汰の店めぐり (その2)

渋谷区・恵比寿駅前の焼きとん酒場「たつや」。

1種2本しばりの串からミックスを2本お願い。

タン・ハツ・カシラなど、端肉の寄せ集めは

困ったときの逃げ道的役割を果たす。

大瓶2本に串2本、勘定は1660円也。

 

ずいぶん長くご無沙汰した店を2軒続け、

このノリでもう1軒行く気になった。

メトロ日比谷線に揺られながら思う。

たかだか15時過ぎでは

飲めるエリア、開いてる店、ともに限られる。

 

銀座で銀座線に乗り換えた。

神田じゃまだ早いし、またも上野は能がない。

とにかく上野広小路で降りた。

ゆっくり歩いて時間稼ぎしながら浅草へ。

 

目指したのは雷門通りの「酒富士」。

あれは4年前の春だった。

ブリスベン生まれの豪州娘、

その名もブリーとカウンターに隣り合わせ、

つかの間の淫行、もとい、飲交に及んだのは―。

 

かつ丼を食べる彼女にビールを飲ませ、

内緒で鯨のベーコンをすすめる。

食後にこれはホエールなんだヨと打ち明けたが

さほど驚きもせず、ケロッとしてるから

こちらが拍子抜けしたものだ。

 

長野県・白馬のホテルで働いていたブリー。

コロ助襲来の1年前のことだが

一時帰国のため、成田を発つ前夜だった。

世界中がグチャグチャになった今、

いったい何処で何をしているのやら・・・。

 

最後に「酒富士」を訪れたのは

令和元年初日、一昨年の5月1日である。

皮付きべったら漬け、川海老から揚げで

スーパードライの大瓶と

芋焼酎・青鹿毛(あおかげ)のロックを飲った。

 

今夕も同様に大瓶と青鹿毛ロック。

酒の肴はブリーを偲び、かつ煮皿を―。

さすがにかつ丼はムリだから

かつ丼のアタマだけ所望した次第なり。

 

インバウンドが姿を消して久しいエンコの街。

それでも若者中心に少しづつ活気は戻っている。

さりとてガイジンがちょいと恋しい、

この秋のJ.C.ではありますネ。

 

「たつや 駅前店」

東京都渋谷区恵比寿1-8-1

 03-3710-7375

 

「酒富士」

 東京都台東区浅草1-6-1

 03-3843-1122