2021年11月25日木曜日

第2893話 美味い蟹を食ったんだガニ

それにしても白鵬のいない土俵はつまらん。

真っ当な力士は照ノ富士くらいしかおらん。

だが8日目、間垣親方としての解説を楽しんだ。

 

向こう正面にサブ解説すら置かない中継は

ちょいと記憶にない。

角界の至宝に対するNHKのリスペクトを感じた。

相撲協会も横綱審議会も少しは見習いなさい。

 

貴景勝がそこそこ好調ながら

昨日の遠藤戦も薄氷を踏む土俵だった。

押し相撲には限界があって

大成は難しいし、短命に終わることが多い。

 

同8日目、まげをつかまれて命拾いしたが

反則が犯された時点で相撲を止めなきゃネ。

土俵際の出ない出たは止められないが

まげは誰の目にも明らかだ。

行司も勝負審判も勉強し直しなさい。

 

それはそれとして

上野・御徒町の立ち飲み酒場を2軒渡り歩き、、

しょうがないからウチへ帰って

相撲でも観ながら飲み直そう。

 

そう思い、サカナのデパート「吉池」に立ち寄る。

すると、期待だにせぬ逸品に遭遇。

松葉蟹のメス、背子蟹(香箱蟹)は

兵庫県・香住の産だ。

 

オスに比べてサイズは5分の1程度。

食べにくさは半端じゃないが

キレイに殻むきされ、甲羅にビシッと納まっている。

ミソも内子もバッチリだ。

1800+税と、文字通りゼイ沢だが迷わず購入した。

 

ふと脇のポリバケツをのぞいたら

20匹ほどの蟹が蠢(うごめ)いてるじゃないか―。

これは藻屑蟹、北海道は石狩川生まれである。

 

100g当たり¥500+税だったかな?

背子よりさらに可食部分が少なくとも

味噌汁にはじゅうぶん、1匹買った。

 

その夕べはメスの松葉が晩酌の相方。

銀座のclub のホステスの代役は

日本海のcrab のホステスと来たもんだ。

 

生酢にホンちょい生醤油を垂らすのが

J.C.流の蟹の食べ方。

蟹好きだった母親のスタイルで

子どもの頃からずっとこれだった。

 

一方の藻屑チャンは大きな鍋に浅く塩水を張り、

一晩飼ってみたが元気いっぱい。

ちょっかい出したりすると、

両のハサミを大きく開いて

飼い主を威嚇(いかく)する。

その姿は制限時間いっぱいの琴奨菊そっくり。

琴バウアーならぬ、蟹バウアーそのものなり。

 

翌晩、いきなり味噌汁ではなく

10分少々蒸してみた。

けっこう食べ出があって美味いのなんのっ。

残骸は昆布だしを加え、味噌汁に―。

 

背子と藻屑、どちらも実に美味かったんだガニ。

藻屑のほうはちょっと可哀相だった。

たった一晩で情が移ってしまい、胸が痛んだ。

活きた蟹を蒸したり茹でたりはもうよそう。

生きものをもっと大切にしよう、心に決めました。

 

「吉池」 

 東京都台東区上野3-27-12

 03-3831-0141