2021年11月18日木曜日

第2888話 昼もひらめ 夜もひらめ (その2)

鹿骨の「魚昭」は鮮魚店直営だけあって

海鮮もののオンパレード。

生姜焼きだの唐揚げだのと肉ものは一切ない。

ミックスフライA&B、いくら丼、うな重が目立つ。

 

フロアは四人掛け2卓、

小上がりに三人掛け1卓、四人掛け3卓。

近所の人が小宴会を催すのに向いている。

 

定食が配膳された。

ひらめフライ6片w/繊切りキャベツ

切り干し大根、白菜漬け&桜大根、あさり味噌汁。

半ライスはホントに半ライスで子ども用のお茶碗。

 

ひらめにレモンを搾りかけてパクッ、うん、いいネ。

昔は場末の町の洋食屋にもあったが

ここ数十年、トンと見かけなくなった。

当時からけして大衆魚ではなかったが

今や庶民の口に入りにくい高級魚の筆頭格だ。

 

美味しくいただき、

「また、来てくださいネ」

「うん、そうするヨ、ありがとネ」

 

孫娘に送られて階下に降りると、

くだんのオバアちゃん。

「お客さん、どちらから?」

「谷中のほうから」

「わっ、遠いねェ、またおいでよぉ!」

「ハイ、そうします」

 

江戸川区という土地柄は

南から順にメトロ東西線、都営新宿線、

JR総武線の3本が区を横断する、いわば横糸。

縦断する鉄道はなく、

代わりに路線バスが縦糸として何本も走る。

 

小岩消防署前で小岩行きバスに乗った。

到着した南口界隈を散策する。

飲めるが食べられないので止まり木は探さない。

もっともこれといって飲める店はない。

 

小岩駅改札と第44代横綱、

栃錦のブロンズ像の間を抜け、北口へ。

そのまま蔵前橋通りに出て

今度は葛飾区・亀有行きのバスに乗り込んだ。

 

16時に着いた。

半ライスのおかげでそろそろつまめるが

目ぼしい店の暖簾はまだ。

焼きとん「江戸っ子」、

海鮮酒場「ハッピー」、ともに開店は16時半。

しばらくぶらつき「ハッピー」の敷居をまたいだ。

 

=つづく=

 

「食事処 魚昭」

 東京都江戸川区鹿骨2-22-10

 03-3670-4091