2021年11月5日金曜日

第2779話 南北線を北へゆく

千駄木の団子坂下から白山上に来た。

此処には地下鉄の駅が二つある。

三田線・白山と南北線・本駒込。

今日はめったに行かない町に行きたい気分。

南北線の進路を北に取り、王子神谷下車。

BMしといた洋食店に向かう。

 

ちょいと判りにくい住宅街に

「キッチン カワセ」はあった。

半分開いた引き戸の中をチラリとのぞく。

14時近くなのに明るい会話が飛び交っている。

 

逆コの字形カウンターは

上下の横線に1席づつ、縦線が6席ほど。

入口に近い下辺の横線に座る前、

その横のシンクでまずは手洗い。

 

“キッチン”を名乗るくらいだから

洋食主体ながら中華メニューも豊富だ。

ドライの大瓶と単品のカキフライをお願い。

大きいのが5個付けだが

コロモばかりで中身のカキは小さい。

せっかくの遠征は不発に終わった。

 

JR王子駅前まで歩いて戻る。

ターミナルの内外にバス路線がいくつもある。

そうだ、今日は徳光サンよろしく、

「路線バスで寄り道の旅」とシャレこもう。

 

西新井行きのバスに乗り、さらに北へ。

豊島のマンモス団地を抜け、

隅田川と荒川をまとめて渡り、西新井大師で下車。

参道の店は開いていても客の姿がほとんどない。

 

界隈をしばらく散策し、大師始発のバスで北千住へ。

今や都の北の大ターミナルとなった街は

活気にあふれている。

宿場町通りの老舗酒場「大はし」はあいにくお休み。

並びの「おとんば 北千住店」にどうにか滑り込む。

店内は盛況でヤングカップル中心に超満員だ。

 

赤星の中瓶を通し、

焼きとんはシロ・レバ・キクをタレで―。

時間が掛かると言われはしたが

ビールを2本空けた頃に最初のシロ到着。

梅しそ味のバイスサワーに切り替えた。

レベルの高い焼きとんは

殊にキク(小腸周りの脂身)がよかった。

 

高級化の進む焼き鳥に対して焼きとんは大衆の味方。

この棲み分けがこれからも続くことを望む。

上野に本拠を置く「おとんば」は都内に4店。

手の広げ過ぎで質の低下を招くのだけは避けてほしい。

 

「キッチン カワセ」

 東京都北区豊島7-23-7

 03-3914-6537

 

「もつ焼き おとんば 北千住店」

 東京都足立区千住3-48

 03-5589-3867