2021年11月26日金曜日

第2894話 朝鮮焼きに挑戦やき

メトロ有楽町線を護国寺で降りた。

いえ、お参りじゃなくて“お食事”です。

護国寺となると、思い出すのは200711月。

かつて交遊を重ねたフラメンコダンサー、

長嶺ヤス子サンの公演が境内で行われた。

 

数十人の僧侶による読経をバックに

小柄な彼女が舞い踊る姿は

鬼気迫る迫力に満ちていた。

 

本日の昼食はその護国寺正門の並び。

町中華「栃尾」の看板メニュー、朝鮮焼きだ。

朝鮮焼きって何のこっちゃい?

いぶかしむ読者は少なくないでしょう。

 

J.C.の知る限り、朝鮮焼きを供する店はほかに

横浜・野毛の「庄兵衛」と

北区・上中里の「百亀楼」しかない。

前者は焼きとんカシラの串焼き。

後者は豚バラ肉の炒め。

「栃尾」は後者のソレだった。

 

あとは戦前の小津安二郎の映画である。

「東京の合唱」(1931)か、

「青春の夢いまいづこ」(1932)だったか、

記憶は定かでないが

いずれにしろ、サイレント映画だ。

とある食堂の壁に“朝鮮焼き”の品札があった。

おそらく串焼きと推測される。

 

ビール中瓶と朝鮮焼きライスを半ライスでお願い。

「栃尾」よ、お前もか! 

嘆きつつ、近頃勢力を伸ばす一番搾りをトクトクトク。

クイ~ッ! 満点ではないにせよ、うめェや。

すかさずもう1杯、うん、うめェネ。

 

カウンター越しに手渡された皿がズッシリ重い。

おう、おう、大皿にあふれんばかりだ。

スゲェなこりゃ。

 

上等じゃねェか、ヤッたろうじゃねェか。

腕まくりして朝鮮焼きに挑戦やき。

「鬼龍院~」の夏目雅子じゃないけれど

「なめたら、なめたらいかんぜよ!」

 

ビールと清湯の助っ人に力を借りて頑張った。

半ライスにしといてよかった。

唐辛子の辛味が際立つが味付けは甘め。

朝鮮焼肉のタレとは味が異なる。

 

「百亀楼」はサイドに繊キャベだが

豚肉の下にキャベツ&もやし炒めがドッサリ。

これは間違いなく晩酌に支障を来たすヨ。

屈託を抱えながら歩く音羽通り。

豆大福の有名店「群林堂」に立ち寄るも

名代はすでに売切れていた。

 

ケースにしょんぼり並んでる栗蒸し羊羹を買う。

これは最近お世話になった、

マンションの管理人サンへのおみやげでした。

 

「栃尾 護国寺」

 東京都文京区大塚5-40-6

 03-3945-1264

 

「群林堂」

 東京都文京区音羽2-1-2

 03-3941-8281