2012年10月2日火曜日

第416話 指で包んだワイングラス (その1)

最初にお詫びです。
昨日は主役のアイナメの写真を貼り忘れてごめんなさい。
午後に気づいて貼り付けたものの、
実物の姿がアルとナシとじゃ実感がずいぶん異なります。
午前中にご来場いただいた方は
あらためて見てやってくださいまし。

さて、関八州の見廻りがいまだに続いている。
その日は下野(しもつけ)の国に出向いた。
仕掛けが遅く、JR宇都宮駅に着くと西空に陽が落ちる寸前。
これじゃ今宵の止まり木を探すのが精一杯で
街をそぞろ歩くヒマなどありゃしません。

駅を出たら大通り(コレ固有名詞デス)をひたすら西へ。
急ぎ足で15分も歩いたろうか、
宇都宮二荒山神社前の交差点を左折した。
ほどなくオリオン通りのアーケードにぶつかる。
界隈には和洋・高安を問わず、飲食店が並んでいる。

アーケードをさらに西へ進んだ。
このまま行けば、昔花街、今ソープ街の江野町に到達する。
フーゾクには無縁のキレイな身体、奥深くに進入はしない。
”泡立つ”前に見つけたのが「出世街道」なる居酒屋だ。
暖簾ごしに蒼井ゆうの微笑み

 ♪  やるぞみておれ  口には出さず
    腹におさめた  一途な夢を  ♪
           (作詞:星野哲郎)

即座に畠山みどりのヒット曲が浮かんだものの、
この手の店名は本能的に回避することにしている。
ところが中をのぞくと東京の下町らしき雰囲気のもと、
独り客がけっこうカウンターを囲んでいる。
フム、これならアタリはなくともハズレもあるまい。

一番搾りの中ジョッキを飲みながら
隣り客が旨そうにつまんでいた天ぷら盛合わせを頼んだ。
でも・・・やっぱりアタラなかった。
フライと違って天ぷらは難しいや。
海老・キス・ピーマンと頑張ったけれど、椎茸は残した。
空腹にもかかわらず。

やれ、やれ、かつてのカフェー街、中河原に移動しようか。
この地区には往時を忍ばせるバーが散見されるハズ。
そんなつもりでオリオン通りを歩いていると、
心惹かれるスペインバルありき。
グラスワインの品揃えそこそこにして
ソバ・デ・マリスコスなる一品に魅力を感じた。
これは海の幸のスープである。

フラフラッと足を踏み入れ、
「いらっしゃいませ!」の声を聞いたとき、
数分後にワイングラスを指で包む事態になろうとは
夢にも思わぬJ.C.でありました。

=つづく=

「出世街道」
 栃木県宇都宮市江野町2-8
 028-634-0691