2012年10月1日月曜日

第415話 アイナメづくし 男やもめのキッチン Vol.6

名古屋市のN村サンと岡山市のK島サンから
ほぼ同様のご指摘メール。
動物園シリーズは微笑ましくてけっこうだが
男やもめのキッチンやにせどろシリーズはどないしたん?
との仰せであった。

そこでさっそくキッチンに立つことにした。
このサカナはいったい何でしょう?  
と、問い掛けたいところなれど、
サブタイトルで明らかにつき、無意味。
磯魚のアイナメは一網打尽にされることなく、
市場に出回る数量が限られ、知名度も低い。
クイズにしたとて正解率は5%に満たないだろう。

上品な白身は食味がとてもよい。
以前、ハタの代用として広東風清蒸にしたが
その美味に驚いたものだった。

写真の1尾は「東武池袋店」で買い求めたもの。
400gはあったろうか・・・これが格安の555円だ。
チンチロリンなら5ゾロは3倍付け、
縁起がよいから即座に購入を決める。
「3枚おろしで、アラも持って帰ります」―こうお願い。
そうして1尾丸ごと残さず使い、4種の料理を作った。
題してアイナメづくし、アラ・キュイジーヌ!

=ガスレンジが2台しかない男やもめの場合=

① ヤカンいっぱいの水に皮付き根生姜を数片投入し沸騰させる
② 同時に鍋に水と日本酒と皮付き根生姜数片を入れ煮立たせる
③ ザルにアラをあけヤカンの熱湯をまんべんなく注ぎ掛ける
④ 上身1枚の皮目側だけに残った湯を掛けて霜降りに
⑤ もう片方には塩・白胡椒をしておく
⑥ ②の鍋に砂糖・醤油・アラの頭を投入
⑦ ⑥を一煮立ちさせたら落としぶたをし弱火でコトコト
⑧ 粗熱が取れた④をラップして冷蔵庫へ
⑨ ⑦のアラ煮が出来たら鍋を洗い水を張りアラの中骨を入れて弱火
⑩ ⑧の上身に包丁を入れ松皮造りの刺身が完成
⑪ 出来上がった⑨のアラ煮と⑩の刺身で晩酌
⑫ ひとしきり晩酌を楽しんだら⑤の上身をバタ焼きに
⑬ 出汁の出た⑨の中骨を捨て鍋に味噌を入れて味噌汁に
⑭ ⑫と⑬で晩飯

=アドバイス=
 炊飯でもチンでもゴハンをあらかじめ用意
 味噌椀は吸い口のきざみねぎのみで具ナシ
 バタ焼きは皮目側が強火の身側は弱火で半生が望ましい
 バタ焼きの付け合せはじゃが芋かブロッコリーのチンがラクチン
 できれば刺身には本わさび
 アラ煮の落としぶたはアルミホイルでじゅうぶん

アイナメの刺身・アラ煮・バタ焼き・味噌汁の4品の出来上がり。
和食店で食したときの適正価格は2500円でございましょうか。