2013年5月6日月曜日

第570話 何年ぶりかな?肉骨茶 (その2)

昨日の子どもの日は東京ドームに釘づけ。
もっとも球場ではなくTVの前だが画面はほぼ松井秀喜一色。
ジーターやウイリアムスやトーリ監督のインタビューにより、
ヤンキースでいかに彼が愛されていたのか、よお~く判った。
いえ、そんなことは前から百も承知だけど・・・。
ミスターも頑張って打席に立ってくれたし、
原監督もおどけた三枚目をキッチリと演じてた。

若かりし松井が父君から授かった座右の銘が紹介されて
”努力できることが才能である”
これはけだし名言、思わずうなってしまった。
徳光サンの解説は的ハズレもはなはだしいが
めでたい席に免じてツッコむのはやめとこう。

結局、好天にもかかわらず昨日はほとんど外出せず。
だって子どもの日ですもん。
敬老の日じゃないんだもん。

てなこってシンガポール名物、肉骨茶のつづきとまいりましょう。
数ヶ月前、中目黒のカレー屋「カラカッタ」に出向いた際、
かねてより噂に聞いた「ファイブスター・カフェ」の下見をしておいた。
恵比寿・中目黒方面はあまり出没しないエリアながら
2ヶ月にいっぺんは渋谷で髪を理する都合上、
その帰りに寄ればいいや、な~んてタカをくくっていたら、
ずっとそのままなおざりになっていた。

たまたまアジアン・エスニックに目のないのみともが
上京して来たので、これ幸いと連行した。
相方の好みに合わせ、生ビールで乾杯後、前菜には紹興酒、
それ以降は南アフリカ産白ワインという酒の流れとなった。

烏骨鶏の皮蛋(ピータン)、自家製叉焼、麻辣餃子、
出だしの3品は期待度が高かったせいか、やや不発の感あり。
ただ、香菜と白髪ねぎがタップリ添えられた皮蛋はうれしかった。

お次が目当ての肉骨茶だ。
スープを一口含むと丁子(クローヴ)が相当主張している。
そこそこの量の肉塊が浮き沈みしており、
本場ほどのパンチはないものの、なつかしさが口中に拡がった。
シンガポールを離れたのが1987年の1月だから
最後に食したのはおそらくその前年、されば27年ぶりの味覚となる。

もともとそれほど好きな料理ではないから
まあ、こんなものヨとうなずいて、もう一つのメインディッシュを―。
海南鶏飯(ハイナンジーファン)、これぞ彼の地の国民食だ。
この料理は微笑みの国・タイに行くと、
カウマンガイと呼ばれ、これまた広く普及している。
しょっちゅうタイに出掛ける相方の好物でもあった。

皿に取り分け、まずは蒸し鶏から。
ややっ、コイツはかなりイケますゾ。
鶏の出汁がよく出たスープも上々にして
インディカ米がすばらしい炊き上がり。
間違いなく都内でトップクラスの海南鶏飯がここにあった。

1940年代に海南島から渡って来た人々が
シンガポールに伝えたといわれるハイナネーズ・チキンライス。
日本の洋食屋のチキンライスとは似ても似つかぬ代物だ。
もしも彼の地の人々に
ケチャップ味のチキンライスを食べさせたら、どんな顔をするかなァ。
ダメだろうな、きっと・・・。
彼らのしかめっ面が目に浮かぶのであります。

「ファイブスター・カフェ(五星鶏飯)」
 東京都目黒区上目黒3-12-4
 03-3760-7028