2013年5月20日月曜日

第580話 横浜はだいじょうぶ

鰻の空振りをにぎり鮨でフォローした鎌倉をあとに
やって来たのは港街・横浜だ。
ここはだいじょうぶ、フラれる心配はない。
なぜってちゃんと予約を入れてあったから―。

この夜は相棒の要望により、イタリアンの手はずとなっていた。
街で一、二を争う人気店「SALONE 2007」に白羽の矢であった。
メニューは1万円のおまかせ一本やりでアラカルトの余地はナシ。
本来は避けたいタイプも少量ずつの多皿コースにつき、
ワインのつまみのオンパレードと割り切れば
それもよかろうと決断したのだった。

シチリア産のビール、メナブレアでスタートする。
ワインはバローロ・ボッティの’70年。
あえて値段は記さずにおくけれど、
太っ腹の相棒がおごると言い張るので
清水の舞台から二人、ダイビングした次第だ。

8皿から成るコルソを紹介すると

 山形牛のスピエディーノ
 春のアンティパスト
 真鯛のヴァポーレ
 メッツァルーナのペコリーノソース
 烏賊のファゴット
 サルティンボッカ
 ホロホロ鳥のラグーのタッコーニ
 馬ハラミ肉のアッロスト
 
このあと、葉巻きに見立てたドルチェとエスプレッソ。

食べるほうが覚え切れないほど、
多種多彩にして手の込んだ料理が
これでもか、これでもかと運ばれる。

特筆はオマール海老に
フェノッキオ(ういきょう)のジェラートを添えた春のアンティパスト。
そして何といっても馬ハラミのローストだろう。
この皿は付け合せも秀逸で
ピエモンテ州のウォッシュチーズ、サルバを合わせたポレンタが美味。

唯一、不満が残ったのは
高価なワリに最後まで硬さがほぐれず、閉じたままだったバローロ。
なんか無駄遣いさせたみたいで、あと味がスッキリしない。

普段なら横浜の浅草とも称される野毛に繰り出すところなれど、
この日は鎌倉でさんざ歩いたせいだろう、遠さを感じる。
よって馬車道近くのバー「カサブランカ」に潜った。

まずはマティーニ。
2杯目はシェイクもののアップルカー。
サイドカーにはコニャックが使用されるが
代わりにカルヴァドスを使うとアップルカーとなる。
カルバドスはりんごのブランデーだからネ。
最後にペルノーの水割りで締め、
鎌倉&横浜の休日は幕を降ろすこととなりました。

「SALONE 2007」
 神奈川県横浜市山下町82-3
 045-651-6383

「カサブランカ」
 神奈川県横浜市中区相生町5-79 ベルビル馬車道B1F
 045-681-5723