2013年5月9日木曜日

第573話 TVの前にまた居座って (その3)

ハナシが少々それてしまったけれど、
野球・相撲はこのくらいにして
NHK-BSの「昭和の歌人たち」である。
その日の特集は国民栄誉賞受賞者の遠藤実。
彼にゆかりのある歌手が勢揃いした。
集まったのは五月みどり、森昌子、舟木一夫、千昌夫の面々。
そうそうたる顔ぶれが存分に楽しませてくれた。

「せんせい」・「中学三年生」で世に出た森昌子が
遠藤実の弟子だと知ってはいたが
五月みどりまでそうとは知らなかった。
清純派とお色気路線、方向性は真逆なれど、
チカラのある作曲家は何でもこなしちまうんだネ。

歌が上手なうえに高音がきれいな森昌子は好きな歌手。
「哀しみ本線 日本海」、「あの人の船行っちゃった」、
「おかあさん」がマイ・ベストスリーかな。
山口百恵のときもそうだったが森昌子の結婚の際、
ダンナのほうに引退して欲しかったくらいだ。
もっとも森家はともかくとして三浦家の場合は
経済的にもそのほうがよかったのではなかろうか。
あの頃、百恵に稼ぎが三浦トドカズなんて揶揄されたりもしたっけ・・・。

千昌夫は歌唱スタイルが大げさというか、
相当にクサいから好きではなかった。
ヒット曲の「星影のワルツ」、「北国の春」が
好みでないのも多分に影響している。
しかし、トークが面白く、ユーモアのセンス抜群だ。
「夕焼け雲」、「君がすべてさ」は好きな曲、
これからはもっと温かい気持ちで聴くことにしよう。

 ♪ 溢れる若さ あればこそ
   未来に向かい われら立つ
   海の太陽 山の雲
   輝け命の 歌声に
   あゝ あゝ 青春の胸の血は
   夢ひとすじに 燃えるもの  ♪
        (作詞:西沢爽)

久しぶりに「あゝ青春の胸の血は」を本家・舟木一夫で聴いた。
往時よりキーをだいぶ下げており、
なんだか「あゝ老年の胸の血は」みたいな感あって心配したが
フィナーレで出演者一同と合唱した「高校三年生」は昔のまま。
ホッと胸をなでおろした。

「あゝ青春の胸の血は」と「高校三年生」に加え、
「銭形平次」、「花咲く乙女たち」、「高原のお嬢さん」が
舟木一夫のマイ・ベストファイブ。
御三家のなかでは彼が一番好きだ。

その夜はボクシングのW世界戦があったりもして
長いことTVの前に居座ることと相成った。
それにしても内山高志のボディブローはトンデモないッス。
小学生の頃から、矢尾板・関・原田・海老原、
その後は藤や輪島も観てきたが
あれほど衝撃的なKOシーンは記憶にない。
内山には長谷川が果たせなかったラスベガスの夢を
ぜひ、ぜひ、かなえて欲しい。

=おしまい=