2013年10月3日木曜日

第678話 一年ぶりに大宮へ (その4)

埼玉県・大宮に来ている。
3軒目の「角打ち 酒屋の隣」に入店したところだ。
店内はそこそこの賑わいを見せていた。
何とかカウンターに止まることができたのは幸い。
あとのスペースは壁際しかないが
壁に向かって飲むのはなるべく避けたい。

最初ににいただいたのはよく冷たえたまんさくの花。
出自はもちろん1981年4月にスタートした、
NHK連続TV小説「まんさくの花」である。
ドラマの舞台は秋田だった。
この2年後、山形が舞台の「おしん」が放映されて
とんでもない視聴率を勝ち取るわけだが
「まんさくの花」もけっこうな人気だったと記憶している。

相方のセレクトはこれも秋田の角右衛門。
まったりとしたまんさくの花は好みではなく、
キリッとした角右衛門のほうが好きだ。
値段はどちらも1ショット350円也。

つまみは刺身三種盛り(600円)。
内容はすずき・かつお・〆さば
角打ちで刺身とは豪気なものだが
下手な居酒屋のレベルを超えている。
少々もの足りないので、〆さば(400円)を単品で追加した。

1切れ100円の計算になる

2杯目は愛知のこなき純米(400円)。
ゲゲゲの鬼太郎に登場するこなきじじいがラベルに描かれていた。
これもまんさくの花同様に好みではなかった。
普段は菊正宗や櫻正宗を飲んでるから
銘酒が口に合わなくなってしまったのかもしれない。
昔ながらのオーソドックスな銘柄は飽きがこなくていいのだ。

そこで芋焼酎の甕伊佐錦(300円)にチェンジ。
焼酎発祥の地といわれる鹿児島県・伊佐地方の産で
3年甕貯蔵の末、瓶詰めされた逸品である。
ロックで飲ってこれは素直によかった。

二人で刺身10切れではさすがにさみしい。
自家製ポテトサラダ(400円)をお願いする。
何かがパラパラと乗っている

薄暗い店内で最初は何だか判らなかったが、つまんでみてすぐに判明。
これは大根、しかもたくあん、そして燻香が立ち上る。
たくあんの燻製となれば秋田名物のいぶりがっこしかない。

でもネ、言っちゃなんですけど、
ポテサラにいぶりがっこは合わないんだなァ。
むしろジャマになるくらい。
こういうものは別々にいただくほうがずっとよい。
いじり壊したというか、余計な手を加えちまったというか、
策士、策に溺れた感、否めずなんです。

=つづく=

「酒屋の隣」
 埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-403
 048-664-0622