2013年10月22日火曜日

第691話 茄子と胡瓜があればシアワセ (その1)

 ♪ 去年のあなたの 想い出が
   テープレコーダーから こぼれています 
   あなたのために お友達も 
   集まってくれました 
   二人でこさえた おそろいの 
   浴衣も今夜は 一人で着ます 
   せんこう花火が見えますか 空の上から  ♪
            (作詞:さだまさし)

さだまさしの「精霊流し」を聴きながらコレを書いている。
今日は季節はずれのお盆のハナシで始めませう。

仏さまをお迎え、お送りする精霊馬をご存知ですか?
胡瓜と茄子に割り箸を刺して馬と牛に見立てたものだ。
迎えるときはなるべく早くお着きになるように足の速い馬。
送るときはなるべくゆっくり帰れるようにのんびり屋の牛。
ただし、牛馬ともに精霊馬というらしい。
何だかガミを食ってるみたいで牛は立場がないなァ。

ともあれ、夏場(過ぎ去ったけど)は茄子と胡瓜がめっぽう旨い。
どちらも典型的な夏野菜だからネ。
何を隠そう、J.C.は浅く漬けたぬか漬けが大好きで
殊に上記2品は目に入れたら痛いが口に入れたら最高なんざんす。
酒にも飯にも、これ以上ないほどの相性を見せつけてくれるし・・・。

しょっちゅうボヤいてるから読者には目タコ・耳タコだろうが
東京にはサクッと飲める場所が少なすぎる。
それを何とか補ってくれてるのが上野と浅草。
特に上野はスゴい。
その気になりゃ朝から晩まで飲み続けられるもの。
いえ、アル中じゃないからそんなに飲まなくてもいいんだが
いつでも飲めるエリアを報っていて損をすることはまずない。

上野から御徒町にかけての、いわゆるアメ横界隈には
使い勝手のよい店が相当数存在している。
ビールでも焼酎でも日本酒でも、軽く1、2杯飲って
すぐ勘定のできる佳店がゴロゴロしている・・・うれしいねェ。
しかも猫がまたぐどころか雀すらつままん、
ゴミお通しを出さないのがエラい。
これこそが大衆酒場本来の真っ当な姿でありまっしょう。
大衆から営利をむさぼらないのが大衆酒場。
大衆から金を巻き上げたらそいつは回収酒場だ。

おっと、
 お盆→精霊馬→胡瓜と茄子→浅漬け→大衆酒場
と来て、書いてる本人が何が何だか判らなくなっちまった。

そうだった、本日の主役は上野にあってサクッと飲め、
なおかつ、胡瓜と茄子の浅漬けが抜群の飲み屋であった。
しかもこれが2軒もあるんです。
明日の当コラムをお楽しみに―。

=つづく=