2021年12月9日木曜日

第2903話 墨東4区のはしご酒 (その2)

新小岩「しげきん」をあとにしたのは15時ちょい前。

「魚三酒場」も「ほていちゃん」も

そろそろ開店だが他区のどこかへ行きたい。

やって来たのは江東区の「亀戸餃子 大島店」だ。

あれェ、暖簾が仕舞い込まれてるぜ。

どうやら中休みを導入したらしい。

 

肩透かしにもめげず、

西大島、住吉、菊川と歩いて森下に到達。

時刻は16時半、目ぼしい店で開いているのは

「魚三酒場 常盤店」くらいだ。

界隈をぐるぐる回って森下の交差点に戻ると

「山利喜本館」が今まさに暖簾を出すところ。

 

この町のランドマーク的存在だが

だんだん相性にズレが生じて足が遠のいてしまい、

最後の訪れは8年前になる。

行列もなくすんなり入店できそうなので決断した。

中二階のカウンターは8席が4席に間引かれている。

奥の窓際に促され、赤星の大瓶、もつ煮込みを発注。

有料のお通しは大根なますだ。

 

グツグツ煮えたぎる煮込みには

大きめのもつがゴロゴロと―。

数えてみたら13片もあったヨ。

ん? 何だい、ゴロゴ13じゃないか!

 

腸壁に脂がビッシリ張り付いて

慣れない人はドン引きするだろうが

下処理よろしく、シツコくはないから

最後まで飽きずに食べ切れる。

煮込みと並ぶ名代の焼きとんはスルーし、

20分で切り上げた。

 

江戸川―葛飾―江東

ここまで来たら墨田区は外せない。

墨東を代表する区でもあるしネ。

森下の北隣り、両国へ清澄通りをテクテク行った。

 

それにしてもこの町の夜はさびしいヨ。

大相撲のないときは、どうにもならない。

ちゃんこ料理屋も「霧島」、「寺尾」は営業中だが

老舗「川﨑」は閉じていた。

 

人だかりがあるのは横綱横丁に設置された喫煙所と

ガード下の「丸亀製麺」くらいのものだ。

選択肢がなく、同じガード下の「いちかつ」に入店。

上野に2軒あるとんかつ「山家(やまべ)」とともに

経営母体は多くのの商業施設に入居する「和幸」。

 

系列店のビールは決まってクラシックラガー。

清酒も恒の月の一つ覚えだ。

苦手な銘柄を避け、常温の酒にしておいて

ロースかつ定食を半ライスで通したが

ん? 豚の味がしないぜ。

厚みもしっかりあるし、肉質も柔らかながら

肝心の豚の滋味・風味に乏しい。

 

シジミ味噌椀、大根浅漬けで食べるライスは旨い。

本日初めての飯粒だからかな?

いずれにしても700円のこの定食には脱帽。

 

隅田川の東側の江東・墨田両区は紛れもなく墨東。

江戸川・葛飾両区は荒川の東だから言わば“荒東”。

まっ、重箱の“隅”は突つかずに

4区まとめて墨東でくくるのも

あながち“荒唐無稽”な話じゃないでしょう。

墨東4区の独りはしご酒、いや、頑張りました。

 

「山利喜本館」

 東京都江東区森下2-18-8

 03-3633-1638

 

「いちかつ」

 東京都墨田区横網1-3-4

 03-5625-4615