2021年12月13日月曜日

第2905話 一石二鳥の咖喱と珈琲

神田神保町は古書店の街というのが第一感。

大学をはじめ、学校法人もかなり集中している。

かつて中国からの留学生が多く住んだため、

老舗の中国料理店もたくさん残っている。

時代は下って近年のイメージは

喫茶店とカレーショップの街だろう。

 

カレーを食べてお茶を飲もうと思い、

メトロ半蔵門線・神保町の階段を上がった。

待てヨ、この街には

カレーをウリにする喫茶店が少なくない。

一石二鳥という手があるじゃないか―。

 

1949年創業の「ラドリオ」にすんなり入店できた。

LADRIOはスペイン語でレンガを意味し、

店名通りにレンガ造りの外壁を持つ。

窓際の二人掛けは半個室の特等席だが

表から中をのぞく、通行人がうっとうしい。

チキンカレーセット(1000円)を通した。

 

ドリンクはコーヒーのみでも

ブレンド・ウインナー・アイスから択べ、

それ以外は50円アップ(アリコールを除く)。

柄にもなくウインナーをチョイスした。

何となれば、当店は日本における、

ウインナーコーヒー発祥の地なのだ。

 

女性ボーカルの「枯葉」が流れている。

途中からアップテンポになる英語バージョンは

誰が歌っているのか判らない。

 

この位置から唯一見えるテーブルに

若いカップルが座っている。

ぼんやり眺めていて目を疑った。

女性が水割りを作り始めたじゃないか―。

卓上にはサントリーの角瓶。

おい、おい、ボトルキープしてんのか?

ほとんど毎日、昼からビールを飲むJ.C.が唖然。

いや、シャッポを脱いだ。

 

スープとサラダに続き、

チキンもまばらなチキンカレーが整った。

水準に達してはいても、まあフツーかな。

生クリームたっぷりのウインナーはさすがだ。

どうしてブレンドと同値なのか不思議なくらい。

 

食事メニューはほかにナポリタンと

1日10食限定の牛すじカレーがあるだけ。

向かいのミロンガ(タンゴの原形)喫茶、

「ミロンガ・ヌオーバ」も同じく

このカレーを提供しており、製造元は

「ミロンガ」の隣りの「缶詰bar チャボ」。

よって「チャボ」が休む火曜はメニューから消える。

 

ともあれ、一石二鳥の咖喱と珈琲は

満足のランチだった。

あとは近場でガス注入だ。

ヤングカップルに遅れをとったとあらば

ヒルノミストJ.C.の沽券に関わります。

 

「ラドリオ」

 東京都千代田区神田神保町1-3

 03-3295-4788