2021年12月17日金曜日

第2909話 支那竹は枕木のごとくに

前話について読者の方々から

問い合わせをいただいた。

「松竹梅の裕次郎って何の事?」

そりゃそうでした。

若い世代には判りませんネ。

 

これは清酒・松竹梅のTVCMです。

和尚に扮した名優・宇野重吉との禅問答。

「しからば問う裕次郎、人生とは?」

「・・・飲むことヨ」

こんな感じでしたかな?

筆足らずでごめんなさい。

 

その日はメトロ丸ノ内線・本郷三丁目下車。

旨いラーメンを求めて二丁目へ歩き、

目指した「麺屋鈴春」の券売機で

醤油らーめん(900円)をポチッ。

 

チケットを取りに来たお運び娘に

ビールの銘柄を質すと愛飲するもの。

券売機に戻って再び中瓶(450円)をポチッ。

らーめんは高いけどビールは安いネ。

 

中瓶にはシナチクのサービス。

相当にぶっといのが4本来た。

その姿たるや、線路の下の枕木のごとし。

上に白髪ネギまで載っている。

これだけで2本は飲めちゃうネ。

 

醤油らーめん着卓。

中細真っ直ぐツルシコ麺に油の層があるスープ。

肩ロースのチャーシューは薄いものの、

かなりの広がりを見せ、鶏胸肉は小柄だが厚さ二倍。

そして一つまみの貝割れ大根。

 

あれっ、ネギが居ないヨ、入れ忘れかな?

そんなことはあるまいと思いつつ、

まだ残っていた枕木用の白髪ネギを流用した。

やはりラーメンはネギ入りがいい。

 

三丁目の交差点に戻り、なだらかな菊坂を下ると

坂下のロシア料理店「海燕」の前に人だかり。

この夏にオーナーシェフのK塚氏が亡くなり、

そのあとスタッフが奮闘努力を続けてきたが

とうとう1226日で閉店とのこと。

ただ今、惜しむ客が殺到しており、

毎朝10時半に店頭で整理券を得ねば入店能わず。

 

J.C.は「海燕」が根津にあった時代から

何度も利用してきた。

シェフとは客が引けると

ウォッカのグラスを合わせることたびたび。

15年も昔だが一度は銀座のロシアンバーで飲んだ。

 

26日の日曜夜、ストリチナヤでグラスを満たし、

独り献杯するつもりでいる。

 

「麺屋鈴春」

 東京都文京区本郷2-26-1

 03-6801-5233