2021年12月23日木曜日

第2913話 玉子飛び込む 汁の音

ひと月ほど前、家の近くに

とんかつ&ポークソテーの専門店が開業。

何でも山口県・防府市から進出して来たという。

それではいただいてみましょうと

団子坂下から根津方面に不忍通りを南へ歩く。

 

♪   小ぬか雨降る 御堂筋

  心がわりな 夜の雨

  あなた あなたは何処よ

  あなたをたずねて 南へ歩く  ♪

     (作詞:林春生)

 

欧陽菲菲の「雨の御堂筋」を口ずさみながらネ。

 

途中、3ヶ月前にから揚げを空振りして紹介した、

「鳥安」の店先を通りすがった。

おっ、本日のランチは

うな重 鳥から揚げ 焼鳥重

 

その時の風まかせとばかり、

打っちゃっといたがタイミングよく遭遇した。

よって、チェンジ・マイ・マインド。

ポークソテーを取りやめ、

一番搾りの中瓶と注文に及んだ。

 

精肉店のコロッケほどもある、から揚げが3個。

脇にはキャベツ・トマト・カットレモン。

お約束の温泉玉子に浅漬け5点盛り。

味噌椀は三つ葉&なめこ。

半分を言い忘れて盛りのよいごはん。

 

椀を一口すすり、から揚げをパクリ。

おう、おう、近所のオバちゃんは正しかった。

テイクアウトとはまったく別の代物だ。

から揚げを名乗るものの、

実際は片栗粉をはたいた竜田揚げである。

 

いつも付いてくる温泉玉子の出汁がしょっぱいので

一計を案じ、熱い味噌汁にポトンと落とすことにした。

それにしても温玉は箸で掴みにくいネ。

仕方ないので、とんすいから引きずり出すように

お椀へ投入した。

 

あわわっ、勢い余って味噌汁が飛び出し、

傍らに置いたマスクの上にバシャッ。

 

味噌椀や玉子飛び込む汁の音

        ―松尾バションー

 

いや、マイッたな。

家への帰り道。

マスクを外すわけにもいかず、

まだ湿り気のあるヤツを着けると味噌汁の味がした。

 

でもネ、負け惜しみじゃないけど

アイツのマスクより、なんぼかマシなんですぜ。

J.C.の味噌アジノマスクはネ。

 

「鳥安」

 東京都文京区千駄木2-13-1

 03-3821-1301